自然の恵み
今日は早朝から男性陣が掃除屋さん二人と一緒にカディバッローニの家を大掃除。この心遣いに感心、感謝!
ダニエラと私は後から行ってお手伝い。おうちはピカピカになりこの夏を過ごす準備万端。
種蒔きからほぼほっぽらかしだった畑の様子を見に行くと
ジャガイモ
インゲン
サラダ菜
などなど、結構立派に育って来たね〜。茄子と人参はほとんど芽がでてなかったけど。これからかな。
それから散歩がてらにストリゴリ摘みに。
ニンニクと炒めてパスタにしていただくと美味。雨がぱらついたので散歩の途中で帰宅。たくさん採ったけど、火を通すと少なくなっちゃうので今回はダニエラに全部持って帰ってもらった。次回は頑張ってもっと沢山!
ご近所のマルコにキノコが採れると聞いて男性陣は早速キノコ狩り。
収穫はポルチーニ茸大きいのと小さいの1個ずつ、フィンフェエルリ一個。短時間でこれだけ採れれば幸先よし!
イベント尽くしだった5月
やっちゃんのコンサートに始まった5月の週末。翌週にはちづちゃんのグループ展。アーティストインタビューもありというので駆けつけた。
Apneaをテーマに白い空間にちづちゃん独特の世界が広がっていた。
そして翌週には、例年より2週間ほど早く6年目となるNipPop。大学発信の日本ポップカルチャーイベント。今年のテーマはSF。
3日間に渡ってSF作家、マンガ出版社、編集者、アニメ設定考証、CG専門家、研究者、翻訳家、声優などなど各方面の方々のトーク、ワークショップがあった他、映画上映、エヴァンゲリヲン展、松本零士展、ビデオゲームコーナーととにかく充実の内容。
日本からは『ナンバー6』のあさのあつこさん。どの質問にもとてもシンプルかつ明確に答えられていたのが印象的だった。
アニメの設定考証、メカデザインの専門家小倉信也さん。宇宙工学、物理学なんかの領域のかなり専門的な知識をベースに宇宙船のデザインなどを実現する方。フランチェスコと二人で通訳を務めたけど、悪戦苦闘だった〜。ご本人は細やかで、実は甘いもの好きなお茶目なところのある方。
江戸川乱歩賞受賞者である高野史緒さん。残念ながら高野さんのトークを逃してしまった、けどシンポジウムでのお話や、フリータイムにお話しして、幅広い知識に圧倒!人懐こい方で、お話の節々に歴史への情熱がひしひしと感じられた。
年に一回のNipPop、今年も各界の素晴らしい方々に出会うことができて感謝。皆さまご参加ありがとうございました。
で、NipPop期間中にダニエラのお店でMade in Japanと題したイベントがあり、2日目は途中で抜け出してそちらへ駆けつけた。
やっちゃんが習字を披露。すごい人気で引っ切り無しに書き続けたね。お疲れ〜。
種亀の最中はチョコ菓子に変身。
マウリが撮った日本の写真展では伝統と現代をシャープに切り取った。
私も浴衣を着て応援。なんか疲れ果ててる…。
そして最終の日曜日。美容師の友達ジャンカルロが髪の毛で作ったスカルプチャーを発表。
マウリが写真を担当し、発表パーティーではサプライズでやっちゃんが生の歌声を披露。
と言うわけで、やっちゃん大活躍の5月でした。
最後の授業で
3年生がプレゼントしてくれたお花。
ジーン。
ありがとう。がんばってよかった!
DAVID BOWIE & MASAYOSHI SUKITA
仕事でティレニア海に面するラスペツィアへ行ってきた。行き先はここ。
写真家鋤田正義さんの展覧会。被写体は1月にこの世を去ったデヴィッド・ボウイ。この展覧会は昨年ボローニャのONOギャラリーで開催でも開催されていて、大反響だったもの。鋤田さんを迎えてのオープニングでは小さなギャラリーに数百人の人が訪れた。
その機会に鋤田さんはボローニャ大学での講演会も受けてくださり、私が通訳を務めることに。もちろん大学でも教室に入りきらないほど人が溢れた。
そのご縁で今回ラスペツィアの展覧会での鋤田さんのインタビュー&講演にご一緒することに。そこで電車を乗り継ぎ3時間かけてラスペツィアへ。
当初は予約制で観客が鋤田さんの案内で展覧会の写真を鑑賞する、と言う企画だったらしいが、見込みの何倍もの人が集まってしまい、急遽講演形式に。
ボウイとのエピソード、ボウイが他界してからの想いなどお話を聞くことができ、駆けつけた大勢の観客も満足したに違いない。
立て続けにインタビューに答え、大勢の前で講演、さらにインタビュー、そしてサイン会とハードなスケジュールに疲れた顔ひとつ見せず、押し合う観客にいやな顔もせず丁寧に対応する鋤田さんは私の目にはまるで仏さまのように写った。
インタビュー中に、初めて撮った写真について聞かれた時、夏祭りの時に笠をかぶったお母様の写真を取り出し、これに勝る写真はまだ撮れていない、とおっしゃったのを聞いて涙が出そうになった。心優しい方。だからきっと多くのスター達の心を掴んで、ほかの人が撮れない表情を写真に収めてきたんだろうな。
また9月にはボローニャにいらっしゃるそう。再会が楽しみ。
コロラトゥーラの歌姫
親友やっちゃんの待ちに待ったコンサートが土曜日に開催された。
これはリハーサルの写真。
それもVilla Mazzacoratiという1700年代の建物の中にある劇場で、クラシックからジャズまで多彩な顔を持つヴァイオリニストとの共演。
オペラや日本の民謡を中心に、やっちゃんの細い体のどこからそんな声が出るの?と誰もが驚く、心に迫る歌声を披露してくれた。
中でもNon ti scordar di me忘れな草が心に響いた。
一方、ヴァイオリンのマルコはオリジナル曲を中心に、全身を使った力強い演奏で観客を大いに巻き込んだ。
定員80人ほどの小さく美しい劇場で、あっという間にアンコールを迎えた、充実のコンサートだった。
やっちゃんはこの夏、鹿児島、東京、そして台北でコンサートを控えてる。多くの人に彼女の歌声が届きますように。
ボローニャの隠れたオアシス
ボローニャの中心地には数知れぬほどの隠れた中庭があるそう。日本のように垣根は使わず、塀で閉ざされていて、木製の仰々しい門構えからは想像できないような憩いの場があったりする。普段は住人とそのゲストだけが楽しめる特権。
中心街のちょっと入り組んだ通りにある高〜い塀に囲まれた一角Ca' Selvatica。中にはお庭があり訪問もできる、とフェースブックで読んでさっそく足を運んだダニエラ。住所を辿っていっても閉ざされた扉には何の表示もないし、お庭らしきものを垣間見ることもできない。
確かにFBページにはこの場所の歴史やお庭の様子が長〜く書かれているものの、開園時間や訪問方法についての案内は載っていない。余計に気になってメールで問い合わせたら、アポイント制で案内してくれるそう。それでようやく、土曜日に行ってきた。うんよくお天気も上々!
ナポレオンの時代まで元修道院だった場所で、修道女たちの生活は5m近い高い塀で、世間から隔離されていた。そこでは修道女たちが貴族の娘たちを教育していたそう。
その後修道院の大部分は壊され、一部は盲ろう施設、残りの土地がこの庭になった。
ここで管理されている水鳥などの他、様々な野鳥が出入りするオアシスになっているそう。
空も晴れ渡り、ずっとここにいたいと思わせる心地よさ。そんなお庭を後にして、門を出て数歩歩くと、隣には家具の修理工房が。おじいちゃんが家具職人だったというマウリが懐かしさから興味津々で覗いてると、人懐こい職人のおじさんが中に入れてくれた。中は広い空間で、もともとは修道院の家畜小屋だったとか。
40年ほど前からここで仕事をしているそう。
確かに何もかもが、年代を感じさせる。
時がとまったようなこの空間にみんな魅せられて、冗談が好きで気さくなおじさんに着いてどんどん奥へ。
そこにはおじさんの隠れ家が。
ご自慢の目覚まし時計のコレクション。
市からの依頼で何度か家具修復の講座を開いたけど、最後に開いた講座では受講者が立ったの3人、しかも二度目の授業には誰も来なかったとか。「もう過去の職人技だから、若者はコンピューターの勉強をしてたほうがいいんだ。」なんて言ってたけど、良いものを直しながら長く使っていく習慣が去ってしまっているのは切ない。
オークションのクリスティーズに呼ばれて日本に行った、なんて得意げに話してくれたペドレッティさん。職人の城を快く案内してくれてありがとう!
この日は、年に一度丘に上のサンルーカ聖堂のマリア像がボローニャの町に降りてくる日。毎年この日には雨が降ると言われている。
さっきまで清々しかった空が、夕方急に雲行きが怪しくなり、マリア様が降りてくる午後6時半頃には雨が降り始めた。不思議だけど本当の話。
しかも降ったのはほんの1時間弱。写真はhttp://www.ilrestodelcarlino.it/bologna/foto/madonna-san-luca-processione-1.2111771から拝借しました。