イタリアの空 ...di pacifica

イタリア、ボローニャからの日々を綴ります。

Bodytracing

Bodytracing

ボローニャでBodytracingと題した、日本の現代女流文学における女性と都市の関係を探るというイベントが行われている。7週にわたり建築家、社会学者、映画監督などさまざまな分野の専門家をゲストに迎え桐野夏生さん、田口ランディさん、長谷川純子さん、平山夢明さん、山田詠美多和田葉子さん、小川洋子さん、柳美里さんの作品が紹介されるという、大変内容の濃い企画です。
http://www.centrocabral.com/cgi-bin/adon.cgi?act=doc&doc=418
今週は長谷川純子さん、平山夢明さん、編集者の方がおいでになり、同行させていただきました。平山さん原作の「Egg Man」の上映がありましたが途中でDVDが壊れるというハプニングがおき、エンディングお預けとなりなんともむずがゆい感じです。その代わり急遽、来週上映予定だった「大日本ノックアウトガール」を拝見しました。どん底に落ちたら底力で起き上がれ、というのが私に伝わってきたメッセージです。
http://www.mercator.jp/
http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/lineup/d1561.html
長谷川さんについては「NO GEISHA」という日本現代女性作家のアンソロジーでイタリア語に翻訳されている「無精卵」の朗読、ディスカッションが行われました。この作品に大変感銘を受けたという建築家Alessandra Criconia(アレッサンドラ・クリコーニア)さんがディスカッションに参加し、東京という大都会における働く独身女性の住む空間、たとえ狭くても安らぎを与える自分の居場所などなどについて話しました。長谷川さん独特の感情を表す詩的な比喩表現や、女性の心底によどむ思いをアイロニーを交えつつサラッと語るところなどがイタリアの読者には新鮮で心に響くそうです。実は、大声ではいえませんが、私はまだ読んでいないので感想をかけませんが、帰国したら必ず「発芽」かって読ませていただきますね、長谷川さん。
一緒にボローニャ観光などしましたが皆さん面白い方で、夕食の席では涙が出るほど笑いました。まるで東京にいるような感覚でした。また、日本でお会いできるのを楽しみにしています。