イタリアの空 ...di pacifica

イタリア、ボローニャからの日々を綴ります。

指輪の悪戯

なんと結婚3ヶ月にして結婚指輪が!!!

久々に天気のよかった今日、午後に親友のやっちゃんと彼女の息子アレとボローニャの丘の上にあるCa' Shinの公園に遊びに行った。
やっちゃんが車で迎えに来てくれることになっていたので、少し早めに外に出て待っていたところ、時計と指輪をせずに出てきたことに気づいた。まだ来る気配もなかったので、4階まで取りに戻った。
そして車の中でやっちゃんとおしゃべり中、指輪を失くしたことがある話を聞いて、実は今日珍しくわざわざ指輪を取りに戻ったことを話した。


Ca' Shinについてさんざんアレと遊び、やっちゃんとお喋りした後、ふと左手が寂しい事に気づく・・・指輪がない!!!!あれ〜、そんなはずない、と思いジーンズのポケットやかばんの中を見るが、ない。どこでなくしたか全く見当がつかないので歩いた道を指輪を探しながら戻り、落ち葉がいっぱいの公園、その前に行ったかなり広い芝生を行ったりきたり。一応ごみを捨てたゴミ箱の中も軽くチェックした。車の中も。でも、ない。一通り探したし仕方ないな、と思ったけどやっちゃんはあきらめずにもう一度探しなおそう、とピンヒールで芝生や落ち葉の上を一緒に探してくれた。アレもがんばってくれた。公園にいた人も、必死に探している私達を見て心配して声をかけてくれた。


やっぱり見つからないので、念のためCa' Shinのスタッフに事情を伝えて連絡先を残し、今度こそ帰ろうと車に乗った。そこでもう一度私が座っていた助手席シートの隙間にやっちゃんと二人で手を入れたら「あっ、あった〜!!!」。二人で同時に指輪を触った。と思った。この時ホッとして思わず涙が出てきてしまった。でもとることができず、落ちたかと思ってシートの下を探すが、見当たらない。3人で必死に探してもない。


おかしい。でもやっぱりない。


日も落ちてきたし、納得いかないまま仕方なく帰路に着く。車の中で「でも触ったよね。」「あれは金属の感触だったよね。」と二人とも「狐につままれた」気分で興奮しつつボーっとしていた。カーブの続く下り道なので「今は無事に帰ることが先決よ。」と安全運転で丘を下り、あと少しでうちというところで電話がなった。Ca' Shinのオーナーだった。「あなたの指輪が見つかったわよ。遊んでいた子供が見つけたの。連絡先残しておいてくれてよかったわ。」と。気が動転してなんと答えたかも覚えていないが、とりあえず取りに戻るということを伝えて、急遽Uターン。遅いし、一人で行くから、と言ったが「私も見たいから。指輪を見るまでは信じられない。」とやっちゃん。ありがと〜。アレもありがと〜〜〜。


再びCa' Shinについた頃には既に外は真っ暗。門を入るとすぐに指輪の持ち主だとわかってくれて、オーナーが自分の小指につけた私の指輪を渡してくれ、指輪を見つけた男の子を教えてくれた。その子とファミリーに感謝の言葉を伝え、またしても涙が。オーナーにお礼をして、実は私の義理の姉ダニエラからオーナー・フランチェスカの話をよく聞いていたことを語ると、なんと私の旦那のことも知っていた。「ということはこれはマウリツィオに贈られた指輪なの!?」と。しかもダニエラから私達の結婚式の写真を見せてもらったばかりだとか。お互いもう興奮してハグ!!!記念にCa' Shinの絵本を贈ってくれた。

LA RAGAZZA CHE LUCIDA I SOGNI 夢を磨く少女、夢に光を与える少女、とでも訳そうか。この本は仲間と一緒に夢を実現したフランチェスカ自身の話だ。長年手付かずだったヴィラを再建するボローニャ市公募のコンペに彼女は独自のエコプロジェクトで優勝し、多くの人々の協力を得てCa' Shinを実現したのだ。自然素材、リサイクル、省エネシステムを取り入れて再建したヴィラには公園、菜園、レストラン、イベント(アート)スペースなど、子供から大人までが楽しめる施設が揃い、アートやエコに関するイベント活動が行われる。2011年にオープンして間もなくボローニャの憩いの場として人気の場所になった。

この絵本の最後にはORA TOCCA A TE!「今度はあなたの番!」のページがあり、自分の町のためになるような夢があるか、どこで、だれと、どうやって実現できるか、どうしたら皆に有益なプロジェクトになるかを書きだし、リサイクルできる素材を貼り付けて自分の夢を描くようになっている。


やっちゃんもフランチェスカとすっかり意気投合。来週末にまた遊びに来ることを約束して、今度こそうちに帰った。


皆に感謝の一日。戻ってきてくれた指輪さんにも感謝。私はやっちゃんの執念(いい意味で!)で見つかったと思ってるけど、彼女的には指輪自身の力だそう。
というわけで、指輪に振り回された一日。最終的には一件落着、更には素敵なオーナーと知り合うこともできたということで、ポジティブな「指輪のいたずら」事件と名付けられました。