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イタリアの空 ...di pacifica

イタリア、ボローニャからの日々を綴ります。

Made in Italy

先日、仕事でプラートを訪れた。

以前からファッション業界には何かと縁がある。アパレルでMade in Italyといえばハイクオリティ、ハイセンスの象徴。でもイタリアのハイブランドの多くがフランスのブランド運営会社に買収されているし、イタリア国内の生産もかなりの勢いで中国企業に押されている。プラートには主に中国人経営のアパレル縫製工場、卸売りが集まる巨大な地域がある。そこで売られる製品はイタリアにいる中国人の手で作られた正真正銘(?)のMade in Italyなわけだ。残念ながらこんな矛盾が常識になっているのが実情。これはイタリアのアイデンティティの危機では?

プラートは歴史的に織物生産で知られる町。1980年代に生産工場に労働者として中国人が雇われ始め、彼らが次々と独立し、低コストで競争力を高め、歴史ある地元企業は次々閉鎖していったそう。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

そんなプラートで今回訪問した企業は技術、クオリティーにおいて他では真似できない高級生地を扱う企業だった。織物については無知な私でも、その肌触り、質感、色合いにワクワクする、そんな生地の数々。イタリア人経営、生産もイタリア人。工場を見学させてもらい、実際にこの目で生産環境を見て、技術者達に話を聞いた。糸や生地、製品の染色も経験豊かな地元の職人に外注しているという。
世界中に顧客を持つこれらの企業の経営者達は、意外に謙虚。世界で活躍して、誰もが羨むようなサクセスストーリーを持つ彼らだが、イタリアの不況、変わりやすいファッション業界、中国企業の勢いとの共存が簡単ではないのは彼らにとっても同じようだ。自社製品への誇りと同時に、いつ何が起こるかわからない、時代に合わせて常に他に負けない製品を生み出していかなければいけないという危機感を持ち合わせている。


本当の意味でのMade in Italyを支えるこういう企業はイタリアという国の財産だと思う。これからも世界に誇るクオリティを発信していって欲しい。
ブランドに弱い私達日本人も、"Made in Italy"の文字に安心せずに、本当の価値を評価していきましょう!

 
Première Visionのサイトから