イタリアの空 ...di pacifica

イタリア、ボローニャからの日々を綴ります。

ARCHIVIO DI RICERCA MAZZINI

月一回更新のこのブログ、見返してみると九州旅行からいきなり学会の話に跳んでいましたね。ボローニャの日常らしきものがちっとも見えてこない内容ですが、あしからず。そのうちまたそういう話題にも触れるでしょう。
今日は更に話が跳んで、イタリアならではのファッションのはなし。あるプロジェクトのため、業界の人でなくてもファッションに興味のある人なら一度は足を運んでみる価値のある場所へ行ってきました。こちらがその入り口。


ARCHIVIO DI RICERCA MAZZINIは30年以上に渡るデザイン、色、フォルムのリサーチの成果が詰まったファッション文化の宝庫。30年代から今日までのあらゆるデザイン、あらゆる素材の膨大な量のファッションアイテムが、アイテムごと、年代ごと、デザイナーごとに陳列されている見事なアーカイブ。

さっそく面白い作品が目に入ると、この中にどんな世界が広がっているのか期待で胸が膨らむものの、1800平方メートルというスペースに整然と並ぶ何万もの服の数々を前に、さて、どこから手をつければいいのか。

幸いカルラ氏がどこにどんなアイテムがあるか、更には私達の伝えたイメージのアイテムを引き出してきてくれたりと丁寧に案内してくれた。今回はテーマカラーが白と決まっていたので、それだけでもかなりリサーチ時間が省けた。

図書館のようにカテゴリー表示されているわけではないものの、実際要領がわかるととても見やすく分けられている。

手に取る作品それぞれからアイディア、手仕事、素材、職人技、色、歴史などさまざまなメッセージが伝わってくる。ワクワク感は強くなるばかり。

後から来たオーナーのアッティリオ氏はファッションを服ではなくアートと捉え、まさにこれらのアート作品の持つ「伝える力」に魅了されこれだけのコレクションをもつに至った、と語ってくれた。ファッションをイタリアの土地が誇る文化として、それを生み出す土地にこの膨大な文化遺産が残されるべきという確固とした信念から、パリやミラノではなくエミリア・ロマーニャ州のマッサ・ロンバルダに自身のアーカイブを持つ。コレクションの中には自ら既存の素材に加工を施したラインも所有しているという。

これからの彼とのコラボレーションが楽しみです。長いお付き合いになるといいな。
久々にクリエーションと情熱の力に魅了された一日でした。
写真はサイトから抜粋したものです。