Caravaggio
昨日大学の試験がありました。またまた美術史です。
今回は西洋比較美術史‐カラヴァッジョとヨーロッパ自然主義‐です。6月に近代美術史(1500年代ルネッサンス〜マニエリズム)の試験を受けているので年代的には重なっていました。今回はベースとして1500〜1630年の美術史+カラヴァッジョの自然主義の生まれた背景と彼のもたらした影響。私はVincenzo Campi: Scene del quotidiano(ヴィンチェンツォ・カンピ:日常のシーン)という展覧会カタログを読みました。ヴィンチェンツォ・カンピは1500年代後半に活躍したクレモナの画家で「果物売り」、「リコッタを食う者」など庶民を描いた風俗画、写実性の高い自然描写の静物画を描いたことで知られています。当時は宗教画や宮廷やコレクターの肖像が芸術活動のメインで、イタリアでは庶民の絵や静物画というのはマイナーでした。
イタリア同様芸術活動の盛んだったフランドルでは同時時期にピーテル・ブリューゲルの景色をメインにした風俗画、アールツェンの市場の絵などが人気を博しており、カンピがフランドル絵画から影響を受けたことがうかがわれます。
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そして若きカラヴァッジョは驚くほどリアルな静物画、風俗画で名を馳せたのです。
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これが大まかな流れですが、ちょうど国立新美術館で開催中のTheハプスブルグの内容と時期が重なるのです。私が今回勉強したのはカール5世、ルドルフ2世の時期でヴィンチェンツォ・カンピの絵も彼の死後にルドルフ2世のもとに贈られ、生きていれば画家を是非とも宮廷に呼びたい、と言って絶賛したそうです。ルドルフ2世のもとで宮廷画家として活躍したアルチンボルドもミラノに戻って北イタリアの自然主義絵画の発展に貢献しました。
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