イタリアの空 ...di pacifica

イタリア、ボローニャからの日々を綴ります。

MAMbo

日曜のボローニャ。この季節、週末は金曜午後からアドリア海方面へ民族大移動の交通渋滞が始まります。多くの人がこぞって海で週末を過ごすのです。その結果、お店も閉まっている日曜のボローニャはほぼカラ状態となるのです。
そんな中、何の予定も立てずにやってきた日曜の午後。もちろんボローニャからは動いていません。そこで以前からゆっくり見に行きたいと思っていた現代美術館を訪れました。5月5日にオープンしたばかりの新しい美術館、その名もMAMboマンボ(Museo d'Arte Moderna di Bologna)。
http://www.mambo-bologna.org/
この美術館、夏季は木曜日に限り夜12時まで開いていて、先日友達と館内のBarでアペリティーボをした後、夜10時を過ぎてからMAMboのディレクターの方が美術館を案内してくれました。その時は早足で鑑賞したので、改めて時間をかけて回ってみたいと思っていたところでした。予想通り町中に人気は少なく、館内も来館者がわずかでゆっくりと鑑賞できました。
現代アートと言えばわかり難いテーマもありますが、この美術館のよいところは「楽しさ」があるところだと思います。例えば入り口を入ると暗いスペースがあり、ふわふわの床にはいろいろな人物の名前が書いてあります。それぞれの名前を踏むとその人物の声が聞こえる仕組みになっています。また、作品はもとより、吹き抜けになった縦の空間の使い方、うっすら光が漏れるようにふさがれた窓など「ハードウェア」自体の使い方にも感心しました。
「ハードウェア」=建物といえばもちろん東京ミッドタウンに見られるような最新のアーキテクチャーではなく、元パン製造所を改築したものです。この点はさすがイタリアです。美術館の裏に隠れている小川を復活させ、周辺にはフィルム・ライブラリー、音楽・演劇研究室などの施設を置き、アートディスクリクトとして生まれ変わるというプロジェクトです。
http://www.urbanmagazine.it/showPage.php?template=articolo&id=326
イタリア旅行で、中世やルネッサンス美術に疲れた方はぜひ足を運んでみてください。